漬物は主として塩漬け発酵が行われるが、これは、組織から余分の水分を出して腐敗を防ぐとともに、組織の中に含まれている酵素を利用し、さらに微生物の繁殖を食塩濃度で押さえ、乳酸菌など、有用な菌が繁殖するようにするためである。 野菜類はその中に各種の酵素をもっており、また、糖類やタンパク質なども含まれている。
なぜ漬物にするのか?
歴史の項目でもご紹介したように、漬物は元来、野菜を始めとする食品保存が目的ですから、たとえば雪国で冬の間は作物がまったく採れない地方では、冬の間は野菜に不自由することになります。 そこで、冬の間でも野菜を充分に食べられるようにと考えだされたのが野菜を塩漬けにした保存食。 すなわち漬物の先祖です。
漬物 塩 なぜ?
野菜料理に塩、醤油、ソース、マヨネーズなどを用いるのは、その調味料の味を加え、味の調和をはかっているわけですが、漬物に塩を用いるのは、野菜に塩味を加えるだけではなく、野菜の水分を抜き、野菜そのものがもつ味(旨味)を引き出す役割と、保存のためです。
漬物はなぜ腐らないのか?
野菜を塩漬けにすると浸透圧の働きで細胞から水分が出てきます。 この高い浸透圧が腐敗菌の活動を抑制し、保存性を高めます。 この野菜から水分が出てくることを原形質分離といい、野菜の細胞液の水分が浸出し腐敗菌も死滅するのです。 漬物は塩漬け以外にもさまざまな漬物がありますが、長期保存という観点では塩に勝るものはないようです。
漬物のルーツは?
漬物が日本で初めて記録に現れたのは奈良時代。 続く平安時代には種類も増え、宮中の宴や儀式に登場するようになりました。 10世紀半ばに編纂された『延喜式(えんぎしき)』には、春の漬物14種類、秋の漬物35種類が記されています。 瓜などの野菜から果物、野草、山菜まで、そのバリエーションは驚くほどに豊かでした。
