また,飢餓状態で消化管 が利用されない状態が続くと,消化管粘膜が萎 縮し,細菌が腸管粘膜を通過し,血液中へ侵入 しやすくなる. 併せて,粘膜からのIgA分泌も低 下するとされ,これらは生体バリア機能の低下 と言える. このように,低栄養は複合的な要因 で易感染状態となる.
低栄養 術後感染 なぜ?
低栄養では術後感染性合併症発生頻度が高いが、低栄養では局所ケモカインやサイトカイン産生の低下、末梢好中球の接着分子発現の低下が生じ、流血中好中球の炎症局所血管内皮細胞への接着やその後の滲出が抑制されて、滲出好中球数が減少し、さらに滲出好中球の貪食能も低下する。
低栄養になるとどうなるか?
低栄養状態が長期にわたると、「フレイル」・「サルコペニア」・「ロコモティブシンドローム」と呼ばれる身体機能低下の引き金になることがあります。 健康な体を維持する機能やストレスに対する力が低下した、虚弱・脆弱な状態。 筋肉量減少・筋力低下により、体全体の機能が低下する状態。
栄養不良 感染リスク なぜ?
一方で栄養不良はやせ細るだけでなく,侵襲に対するエネルギーの備蓄がないことと免疫能も低下していることから,過栄養よりも危険なことが多い. 栄養不良状態では感染症に罹患しやすく,創傷治癒も遷延する. 免疫担当細胞もエネルギー不足で感染抵抗力が弱まっている.
栄養不足の原因は?
臨床では,①食物の経口摂取困難,②消化管の通過障害,③消化吸収障害,④悪性腫瘍や代謝異常,⑤高度侵襲,⑥医原性などが栄養不良の原因となる(表Ⅰ). 食料があっても食べられない原因には,認知症,神経性食欲不振症候群などの精神疾患があげられ,そもそも食物を口に入れないケースがある.
